- IoTを導入している身近な企業ってどこなんだろう?
- これからIoTで伸びる業界ってどこだろう?
- そもそもなんでIoTを取り入れるのかな?
近年、IoTという言葉が世間を賑わせていますが、実際にどんなサービスを企業が出しているのかは意外と知らないものです。普段何気なく使っているサービスが、実はIoTを活用しているかもしれませんよ?
そこで今回は、身近なIoTサービスや今後伸びる業界・伸びない業界をピックアップしていきます!これから間違いなく盛り上がるIoT業界の大局観をここで理解しておくと、どこかで波にうまく乗れる可能性もあり、非常にオススメですよ。それでは3分でIoT業界の全体像をみていきましょう!
1.IoTを導入している企業
まずはじめにIoTを導入している身近な企業を4つ紹介します。どれも聞いたことがある、もしくは使ったことがあるようなものを厳選しました!
1-1 ヤマト運輸
(https://wired.jp/2018/03/05/roboneko-yamato/)
クロネコヤマトで有名なヤマト運輸が、IT大手のDeNAとタッグを組んで配送を自動化するサービスを進めています。その名もロボネコヤマト。
ネット通販が浸透して荷物が増えたことやドライバーが不足している宅配産業では、共働きの増加に伴い荷物の再配達も増え、配送料の値上げの動きも出てきました。
そんな問題を解決するのが自動運転です。自動運転によって顧客の指定する場所に10分刻みで向かい、利用者が受け取りに行く新たな宅配スタイルをとっているため、帰宅や散歩の途中に受け取ることも可能になります。
道路の混雑状況や受け取り日時から最適なルートを提案する車両運行システムにより、ドライバーの負担が減るので高齢者や女性の雇用にも繋がると推測されています。再配達をゼロになる未来もそう遠くはないかも知れませんね。
1−2 ヤンマー
(https://www.yanmar.com/jp/agri/agri_plus/information/075.html)
ヤンマーは農業とIoTを掛け合わせたサービスを展開しています。ヤンマーのスマートアシストは、農業のあらゆる不便を解決するサービスです。
機械に取り付けたセンサーによって、機械をモニタリングして異常を検知したり、24時間体制で見守ることで農業機械の盗難を防いだりしてくれます。それだけでなく、どの順番で作業を行えば一番効率的なのかも教えてくれるので、時間短縮にもつながります。
こういったサービスによって新規参入の障壁が下がり、日本の農家の後継者不足を解消する一手になるかもしれませんね。
1−3.シャープ
https://corporate.jp.sharp/corporate/news/160706-a.html
シャープが開発したIoTオーブンの「ヘルシオ」は、料理の相談ができる優れもの。オーブンと対話しながら献立を決めるまるで映画のような体験をすることができます。献立が思いつかないときは、「15分でできるメニューを教えて」「〇〇を使ったおつまみを教えて」そんな風にヘルシオに話しかけると、それに沿ったメニューを提案してくれます。
他にも、糖尿病や高血圧の方に向けた、栄養士さんが考案したメニューの提案もできるので、病気を抱える方がいても安心ですね。
それだけでなく、お気に入りのレシピの材料や作り方、自分でとった写真をマイレシピとして登録することができます。「前に作ったあの料理どうやって作ったんだっけ・・・」そうたって料理本や料理サイトを探す手間が一切なくなるのでありがたいですよね!
他にもIoT家電についてはこの記事でまとめたので、参考にしてみてください。
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【完全版】暮らしを変えるIoT家電7選と導入方法【3分で解説】
1−4.日立
(https://newswitch.jp/p/14944)
日立は、IoTを用いて遠隔操作で駐車を行うシステムである「リモートパーキングシステム」を開発しています。障害物などは車に取り付けたセンサーで感知可能であり、スマートフォンからの車の操作ができる優れもの。
車の自動運転についてニュースやネットでよく聞きますが、そこだけ頑張っても最終的に駐車するのが人間だと、完全な自動運転とは言い切れません。自分の車は運転するのではなく、タクシー感覚で乗るようになる未来がすぐそこまで迫ってきています。
2.企業がIoTを導入するメリットとは?
しかしそこまでして企業がIoTを導入するメリットって何があるのでしょう?ここではその大事な理由を2つ紹介していきます。
2−1.コスト削減
IoTを活用した工場の増加に伴って、作業の効率化が進み大幅なコスト削減につながります。工場内のあらゆる機械にセンサーをつけることで、工場の稼働状況を可視化し、そこから得られたデータを分析して生産管理システムなどと連携させることで、生産ラインを最適化することができます。
旭鉄工という会社は、秋葉原で購入した安価なセンサーにより生産工程の改善に取り組むことで約5億円のコスト削減に成功しました。それくらい、IoTを導入して無駄な作業工程を省くことでコストカットできるんですね。( https://news.aperza.jp/%E3%82%A2%E3%82%AD%E3%83%90%E3%81%A7%E8%B2%B7%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%81%A7%E8%A6%8B%E4%BA%8B%E3%81%AB%E6%88%90%E5%8A%9F%EF%BC%81%E4%B8%AD%E5%B0%8F%E8%A3%BD%E9%80%A0%E6%A5%AD/)
2−2.ユーザーの利便性向上
IoT化した製品を販売することで、ユーザーの満足度が確実に向上します。製品に不具合が生じたとき、すぐさまその情報がメーカーに送られてその場で対応してくれるようになるので、リアルタイムで悩みを解決することができるからです。
他にもIoTを駆使すれば、消耗部品の機能が停止する前に自動的に部品が配送され、補充される仕組みも実現することができます。そうやってより親身なサポートをユーザーに行うことができるので、企業はこぞってIoT化を進めているわけです。
3.IoTで伸びる業界
ただIoT化と一口に言っても、相性のいい業界と悪い業界が存在するので、次にIoTで伸びる業界と伸びない業界をピックアップしていきます。
3−1.運輸
自動運転にも代表されるのがこの運輸業界。
2018年にトヨタが自動車メーカーではなく、他業界のビジネスを車内に持ち込む車内空間の販売ビジネスを進めると発表したことからもIoTがどれだけ熱い分野かわかります。車内だけでなく、給油や駐車といった車に関連するすべてのサービスもIoTで繋げることができるので、飛躍的に市場が伸びると予想されています。
3−2.製造業
IoT市場の規模感として非常に大きな可能性があるのが製造業の分野。製造業は部品の数や作業工程が長く、色々なモノを繋ぐ必要があるからです。
例えば、コンピューターやソフトウェアで有名なFUJITSUは、いくつもの地域にまたがる工場のデータをインターネットにつなぎ、可視化することで生産性の向上を目指すソフトを提供しています。リアルタイムで様々なデータを一括管理できるので、問題の対処や改善の質・スピード共に向上し、より効率的な業務を可能にしました。
今後はこのようなスマートな設計から生産、出荷、データの取得といった具合に、製造業のIoT化が進んでいくでしょう。
3−3.旅行・宿泊
IoTで伸びる分野の3つ目が、旅行や宿泊関係。2018年には訪日外国人数が3000万人を超え、インバウンドを対象にしたIoTサービスが今後伸びていくと推測されています。
例えば、2020年の東京五輪にて宿泊会場の不足が予測されることから、民泊事業のサービス拡充の必要があり、家主が家にいなくても遠隔で鍵の施錠ができるIoTサービスなどの需要が増していくでしょう。
キャリーケースとGoogle Mapが連携し、キャリーケースが目的地まで導いてくれる可能性もあり、考えただけでワクワクしますね。
4.IoTで伸び悩む業界
4−1.農業・林業・水産業
現状としてこれらの産業ではIoTの発展速度は遅くなると考えられています。理由として、地方の現場では後継者不足や運転免許返納により利便性を失ったりと問題が山積みではありますが、ユーザー自体がネットに慣れておらず、IT企業が足を運ばないケースが多いからです。
スマホやネットに慣れていて、都市部での発展が優先され、大きなチャンスが眠っている地方は後回しという構図で展開されていきそうです。
4−2.住民サービスや上下水道
そしてもうひとつ、市場規模が大きくなると予想されていない領域が、住宅サービスや上下水道です。孤立した住人の見守りや遠隔診療など様々なサービスが考えられているものの、お金を払うのは裕福ではない住民が一般的で、大きな投資が得られないことが原因として考えられます。
このように明らかに困っている業界ではあるものの、かけられる予算が小さい場合は伸び悩む傾向にあると言えるでしょう。
5.IoT開発に強い会社
「自分の会社は旅行・宿泊事業に取り組んでいるから、IoTを導入しよう!」
そんな時に自社ですべて開発するのはノウハウもないのでコストもかかり非効率的です。
そこでIoT開発の強い会社が提供しているプラットフォームを活用できるかが時代の波に乗る近道であり、そこが成功の分かれ道です。自分たちで作るのではなく、先人が作ったものを貸してもらう感覚ですね。
なので、ここでは誰でも簡単に利用できるようなIoT開発に特化した会社を2つ紹介します。
5−1.Microsoft Azure
(https://azure.microsoft.com/ja-jp/overview/iot/)
この会社はAzure Machine Learningという機械学習のプラットフォームを提供しています。他のプラットフォームの場合、人工知能を自作する必要がありますが、Microsoftのサービスでは簡単に機械学習を利用することができます。
Fortune500という収入が上位500社に入っているアメリカの企業の95%が、ビジネスの実行基盤として信用しているこの安心感もユーザーからするとありたがいですよね。
5−2.Nifty Cloud
この会社が提供するプラットフォームによって、自社サービス会員に対して課金ができるようになります。革新的なアイデアがあったとしても、どうやってお金を回すのか、信用問題はどうするのかといった問題が発生します。全てを自分の会社でやろうとすると、すべての機能が2流で終わってしまいます。
時間やお金も限られている中で、先人の知恵をできるだけ活用していく姿勢が大切ですよ。他にもIoTプラットフォームを提供する会社や相関図などはこの記事でまとめてあるので、参考にしてみてください。
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6.まとめ
世の中の企業は、コスト削減やユーザーの利便性向上を狙って、特定の業界においてIoT化を今までにない速度で進めていくでしょう。
その際、すべてを自社で回すのではなく、IoT開発に強い会社と手を取り合う姿勢が大事になってきます。つまり、IoT化が進めば進むほど、開発をするエンジニアの需要が高まるわけです。
Webサービス系のエンジニアは今後飽和すると予測されているので、これからエンジニアを目指す人はIoTに絡めたほうがベターです。ただ、いきなり目指そうとしても難しいので、この記事を参考にしてIoTエンジニアになるための全体像を把握しておきましょう。
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