最近、世間で何かと話題に挙がるIoTとAIという言葉。できることなら自社にもIoTとAIを使った最新技術を取り入れてみたいですよね。

ただ、何をどのようにしたらうまく活用できるのか、そもそもIoTやAIとは何なのか。活用以前に良く分からない部分が多いのも事実です。

そこで今回は、IoTとAIの定義や活用方法を取り上げつつ、ビッグデータに対応するIoT×AI実装と活用アイデアの今についてお伝えしていきます。

1.IoT とAIの違いとは

まずは、IoTとAIは何が違うのか。それぞれの定義についてみていきましょう。

1-1.AIの定義

AIとはArtificial Intelligenceの略で、自分で考え、行動する人間のようなコンピュータです。

今までにない新しい事を創造することはできませんが、教師データから過去の傾向を読み取り、データを大量に処理していくことは得意です。

例えば、画像による文字認識機能。複数の画像を教師データとして読み取れば読み取るほど、画像の認識精度を上げられます。

1-2.IoTの定義

IoTとはInternet of Thingsの略で、その名の通り「モノのインターネット」を表す言葉です。IoTの世界では、あらゆるモノがインターネットに接続されています。モノをインターネットに接続するためには、インターネットに接続可能な各種センサーを取り付け、通信していきます。

例えば、エアコンにスマホ経由で帰宅時間を登録しておくと、帰宅時間の少し前からエアコンが動作しはじめ、帰宅時には室内が適温になっている。これもIoTの恩恵の一つです。

同列に語られることが多いIoTとAIですが、その定義は全く異なるものです。5gのネットワーク通信速度向上で大量のデータ送信も容易になるため、IoTとAIは今後普及が更に加速するものと考えられています。

2. IoTとAIを組み合わせることによる効果とは

IoTとAIの定義を理解したところで、次はIoTとAIを組み合わせることによって得られる効果をお伝えしていきます。

AIは、あらかじめ動作させる目的を決めておき、目的に応じた教師データを読み込ませることで、様々な動作を自律的に行わせることが可能です。先ほどの文字認識機能もその一例で、画像のリーダーと連携させれば文字読み取りシステムを構築できます。この画像リーダーに搭載されているのが画像センサーで、画像を処理します。この文字読み取りシステムもIoTとAIの組み合わせによるものだといえるでしょう。

他にも、温度センサーや速度センサーなどと連携させれば、インターネット上のサーバーに次々とデータが蓄積されていきます。この蓄積データをAIが教師データとして読み込むことにより、AIの判断能力はどんどん研ぎ澄まされていくのです。

データの特徴を自動的に読み取るようにプログラミングしておけば、AIに自動的な学習をさせることも可能で、これを「ディープラーニング」と呼びます。

3.IoT×AIの活用事例

ここでは、具体的なIoTとAIを組み合わせて活用した事例をみていきましょう。

例えば、スーパーなどで商品棚を1分おきに撮影し、商品の売れ行きの様子を監視するカメラを取り付けておけば、商品の補充タイミングや発注タイミングを店員に知らせられます。商品を判別できる程度の画質で撮影できれば良いので、カメラは型落ちのスマートフォンのものでもよいでしょう。

また、自動車に前の車との車間距離を測る距離センサーや車の振動を検知する振動センサーなどをつけておけば、車間距離や路面状況などのデータを蓄積でき、カーナビで使用されている渋滞などのデータを読み取って、先を予測した自動運転が可能です。

工場では、荷捌きの担当者へビーコンを取り付けておくことにより、作業員の動きがデータとしてサーバーに蓄積されていきます。その動きのデータをAIに読み込ませ、最適な経路を検討することで、棚の荷物配置を最適化できます。

他にもアイデアによって様々な活用が可能です。国内では、様々な展示会が開催され、各社の事例が多数紹介されています。

4.IoT×AIに最適なクラウドプラットフォーム

現在、各社からIoT×AIを実現するプラットフォームがリリースされています。それぞれの概要をみていきましょう。

1.OPTiM Cloud IoT OS

「OPTiM Cloud IoT OS」は株式会社オプティムが提供する、IoTとAIを活用するためのPaaSです。デバイスから収集したデータを可視化できるダッシュボード機能を提供していて、多種多様なデータを精査・解析可能。また、AI・IoTサービスの基盤はOPTiM Cloud IoT OSで準備されており、ユーザーはIoT×AIのサービス開発に集中できます。もちろんクラウドでもオンプレミスでもOPTiM Cloud IoT OSは導入できるため、ユーザーのニーズに応じた環境を選択できます。

活用事例としては、主に建設向けIoTプラットフォーム「LANDLOG」や農業向けIoTプラットフォーム「AGRI EARTH」などに利用されています。

2.Amazon Web Services IoT

https://aws.amazon.com/jp/iot/

※上記URLを参考に簡単に特徴を紹介

Amazon Web Services IoT(以下AWS IoT)は、アマゾンウェブサービスが提供する商用ソリューションのためのIoTサービスです。

AWS IoTの特徴は、何といっても巨大なアマゾンのIT基盤環境。既にサービスを開始しているAWSでは大規模なシステムをいくつも運用しており、同様の実績豊富なクラウドインフラ上にAWS IoTも構築されているため、数十億の異なるデバイスと数兆のメッセージを扱えるとされています。

また、AWS Lambda、Amazon S3、Amazon SageMaker などのサービスを使用して、AWS IoT を使用してカメラを管理するアプリケーションや機械学習用アプリケーションを構築することも可能です。もちろんAIとも統合されており、複数の機械学習フレームワークをサポートしています。

3.GMOクラウド

https://iot.gmocloud.com/

GMOクラウドはGMOインターネット株式会社が運営しており、IoTとAIを利用した各種サービスを提供しています。主な提供サービスは以下5点です。

  • Diversity Insight for Retail:実店舗の来店客を分析。AIで見える化
  • hakaru.ai:メーター点検業務をAIで効率化
  • LINKDrive:愛車のコンディションを見える化
  • スマートホーム:ドアロックや温度調整、ガス・電気のコントロールなどを自動化
  • スマート検針パック:自動検針で各種エネルギー使用状況を管理

それぞれ、ホームページにて導入事例が紹介されています。

5.国内で進むIoTとAIの実装

現在、世界では「デジタルトランスフォーメーション(以下DX)」という概念が広まっています。DXとは、「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」という概念。2004年にスウェーデンのウメオ大学のエリック・ストルターマン教授が提唱したとされています。このDXは日本でも間違いなく進んでおり、近年ではIoTとAIの普及により、DXは更に加速しているといっても過言ではありません。

また、政府における議論として「Society5.0」が提唱されています。Society5.0とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する、人間中心の社会のこと。IoTとAIの普及により世の中はSociety5.0へ向かっていくとされています。

総務省調べによると、IoTは国内の60%の企業、AIは国内の30%の企業が既に導入。これが急速に進んで2020年にはIoTの普及率が70%~80%、AIの普及率が60%~70%になると予想されています。

6.まとめ

国内でも既にIoTとAIの実装が進んでいて、各社それぞれ趣向を凝らしたユニークなサービスを展開しています。まだIoTやAIを取り入れていない企業も多くありますが、どの企業にもIoTやAIを取り入れることで改善できる業務が存在するはず。

IoTやAIの利活用を検討されているなら、是非一度ジャンプシェアへお問い合わせください

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