- IoTプラットフォームって単語を聞いたけど、どういう意味なんだろう?
- IoTってモノにセンサーを取り付けるだけじゃないの?
- 具体的なIoTプラットフォームの事例を知りたい
近年IoTというワードを耳にする機会が増えましたが、それと同時に注目を集めるのがIoTプラットフォームという言葉。なぜここまでIoTプラットフォームが大事なのか知っていますか?
IoTとIoTプラットフォームは似ているようで大きく意味が異なります。そこで今回は、身近な具体例を交えてIoTプラットフォームの正しい意味を紹介します。この知識を正しく知っている人は世の中の1%もいないと思うので、3分でサクッと読んで時代を先取りしましょう。
1.IoTプラットフォームとは何か?
IoTプラットフォームとは、センサーを通して得られたビックデータを収集・分析し、モノ同士を繋いで活用する基盤を意味します。
「センサー?繋ぐ?基盤???」
という状態になりかねないので、もう少し噛み砕いて説明しますね。そもそもの話ですが、ほとんどのIoT機器はこの4つのSTEPで正常に動作します。
- センサーで情報を受け取る
- ネットワークを通してコンピューターまで情報を送る
- コンピューターで情報を解析する
- ネットワークを通して機器の動作・制御を行う
仮にあなたがセンサーから情報を受け取って、自分にカスタマイズされた室温に調整するエアコンが欲しい場合、この4つのSTEPを全て自分でゼロから設計する必要があります。
「そもそも開発の知識もないしお金も時間もないよ!」
多くの人は新しく構築する技術やコストの負担が大きくなり、不都合に感じますよね。ですが、お隣さんがエンジニアで1と2の部分を、お向かいさんもエンジニアで3と4の部分を構築してくれたらどうでしょう?一気に自分で作る手間が省け、時間とお金を節約して快適なエアコンを利用できるわけです。
このように、IoT機器開発の際に、事前に情報の処理を組み込んだシステムをサービスとして提供している基盤を、IoTプラットフォームと呼ぶわけです。APIと似た認識で問題ありません。
2.IoTプラットフォームの役割
実際にIoTプラットフォームはどんな役割があるのでしょうか?大きく分けて3つあるので、ここで紹介していきます。
2−1.データ収集
まず1つ目の役割は、データの収集です。センサーや自動認識を用いてモノから情報を取り出していきます。IoTプラットフォームとしては
- データの収集に必要な通信モジュール(小型の端末機械のこと)
- インターネット接続環境
- 保存に必要なクラウドサービス
が例としてあげられます。モジュールなどを用意して環境を整えるのが難しい場合、プラットフォームを利用するといいでしょう。
2−2.データの可視化
センサーから情報を収集するだけでは全く意味がありません。データは目に見えて初めて役に立てることができるからです。リアルタイムでデバイスの使用状況を表示し、異常がないか確認したりどういった進捗なのかを知る必要があります。そこでIoTプラットフォームとして、データのリアルタイム表示やグラフ表示など、データを可視化できるサービスを利用することができます。
2−3.データの活用
データを可視化した後に、得られたビックデータを分析して活用することを忘れてはいけません。2020年には約200億個のモノがインターネットと繋がると推測されており、得られるデータは膨大だからです。
(https://blogs.itmedia.co.jp/business20/2014/06/2020iotinternet-c56b.html)
例えば、農業分野であれば、得られたデータに応じて水や肥料の量を自動で調整するシステムが開発されています。このように、IoTプラットフォームの役割で一番大事なアウトプットこそ、データの活用なわけです。
3.IoTプラットフォームのメリット
では、具体的にIoTプラットフォームを利用するメリットが何なのかをここで2つ紹介していきます。
3−1.短時間でIoT化が可能
まず1つ目として、短時間でIoT化を進めることができる点があげられます。IoTのデバイス数が多くなればなるほど既存のコンピューターでは対処しきれず、新たな開発環境を構築する必要があります。
しかしIoTプラットフォームを利用すると、手軽に高品質のインフラを使用できてしまいます。全てを自社で開発しようとしても、ノウハウが蓄積されていないので余計な時間がかかり非常にもったいないです。
なので、貴重な時間を無駄にしないためにも、IoTプラットフォームを有効活用していきましょう。
3−2.低コストに抑えられる
2つ目のメリットは低コスト削減が見込める点です。やはり開発環境をイチから整備しようとすると、新たなサーバーの設置や仕組みの構築が必要であり、設備投資が不可欠です。
その反面、すでにパッケージ化されているサービスを利用することで、安価なコストで環境や仕組みを構築でき、費用も削減できてしまうのでオススメです。
4.IoTプラットフォームの具体例
「具体的にIoTプラットフォームを提供している会社を知りたいな」
ここでは、みなさんが一度は聞いたことがあるIoTプラットフォームを開発している身近な会社を3つ紹介していきます。
4−1.楽天コミュニケーションズ
クレジットカードやプロ野球チームで有名な楽天は、通信回線に関するIoTプラットフォームを提供しています。
例えば、社内機器(PCやFAXなど)を繋ぐ固定回線に設置が困難なエリアに監視カメラをおきたい時。セキュリティや回線の品質を担保しつつ、現地調査などの手間を省いて一気に構築してくれます。
データを収集するときのIoT機器のネット環境をサクッと整備したい人はオススメです。
4−2.Microsoft Azure
(https://azure.microsoft.com/ja-jp/overview/iot/)
パソコンで有名なMicrosoftですが、この会社はAzure Machine Learningという機械学習のIoTプラットフォームを提供しています。
他のプラットフォームの場合、人工知能を自作する必要がありますが、Microsoftのサービスでは簡単に機械学習を利用することができるのがオススメポイントです。
Fortune500(アメリカにおける収入が上位500位に入る企業)の95%が、ビジネスの実行基盤として信用しているくらいセキュリティも万全なので、個人レベルでも安心して使えるのも大きな魅力ですね。
4−3.Predix
(https://gereports.jp/tag/predix)
最大の総合電機メーカーであるGEが提供する、産業用モバイルアプリケーションのIoTプラットフォームがPredixです。
このサービスにより、屋外作業などのネットワークに接続できない状況下でも、いつも通り機器の稼働状況を把握できるようになりました。
やはり、こういったシステムをゼロから自社で構築するよりも、IoTプラットフォームを活用した方が合理的ですよね。
5.IoTプラットフォームの今後
では、IoTプラットフォームは今後どのような進展があるのでしょうか?IoTプラットフォームを取り巻く相関図と、今後の予測を分かりやすい例えを用いて解説していきます!
5−1.IoTプラットフォームの相関図
先ほどあげた会社以外にも、IoTプラットフォームを提供している会社(ベンダー)は世界に数多く存在します。この画像は、ビジネス+ITさんがまとめた主要なIoTプラットフォーム開発会社の相関図です。
この線が繋がっている会社同士は連携していることを表しています。このように世界中のたくさんの会社がIoTプラットフォームという土台を提供し、それを利用した数多くのサービスが開発され、私たち消費者が利用するわけです。
「たくさん会社もあって線もあって混乱してきた・・・」
そんな人に向けて、最後に分かりやすい例えでこの図を解説します!
5−2.IoTプラットフォームは「観光地」
まず、ベンダー間の矢印を道路、IoTプラットフォームを「観光地」とイメージして、道路を走る車を企業と考えてみましょう。
車は自分の欲しいサービスを求めて「観光地」へと向かいます。多くの車が立ち寄れば、その「観光地」はさらに栄えることができます。つまり、多くの企業と繋がりを持てば持つほど、新たなビジネスチャンスが生まれ、より大きなインパクトを残す事業を展開できる可能性が高まるわけです。
海外だと短期的には利益が下がろうとも、長期的に見ればお互いの利益に可能という理由から、ライバル企業であっても手を取り合う風潮がありますが、日本の企業は互いに対立しています。それによって、日本企業は矢印が行き止まりになっている会社が多く、消える可能性が高いと推測されています。
日本国内外の企業が手を取り合って、お互いの利益となるような関係性を築けるかどうかが、日本という国が大きな「観光地」となるために必要不可欠でしょう。
6.まとめ
IoT化をする際に全てを自社でまかなうのではなく、それぞれに特化したサービスを提供するIoTプラットフォームを活用することで、時間や費用を大幅に削減することができます。
そして、それらのプラットフォームを開発するIoTエンジニアという職業の需要が今後増えていくことが考えられます。
初心者からでもIoTエンジニアを目指せる手順を分かりやすくまとめたので、IoTエンジニアに少しでも興味がある人はこの記事を参考にしてみてください。
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