• IoTがブームだけど、それに使われている技術ってどんなものなのかな?
  • 未来のIoT社会はどうなるのかな?
  • それを支える新たな技術って何があるんだろう?

IoTが注目されるにつれて、IoT対応の製品を多数見かけるようになりました。それを家に導入するときにある程度使われている技術を知っておかないと、セキュリティの問題に対応できません。

そこで今のIoTに使われている技術と未来の社会を左右する2つの新技術を解説していきます。この記事を読むだけで原理は全て理解できるので、最後まで目を通してください!

1.IoTに使われる4つの技術

IoTには大きく分けて4つの技術が存在します。簡単にまとめると、

  • モノをネットワークに繋げる技術
  • モノから情報を取り出す技術
  • データを集める技術
  • データを活用する技術

これら4つの具体的な技術要素とそれぞれの特徴をこれから紹介していきます。

1−1.モノから情報を取り出す技術

モノがネットワークにつながった後は、情報を取り出すフェーズに入ります。

センサー

日常生活の様々な状態を、コンピュータが扱えるように二次元のデータに変換するのがこのセンサーです。センサーと一口に言っても種類はたくさんあり、加速度センサー・光センサーなどがあげられ、目的や条件に沿ったセンサーを選びます。

エアコンだと温度を測るセンサー、電球だと明るさを測るセンサーといった感じですね。

自動認識

人間を必要とせず機器自体に自動的にデータを取り出すシステムです。RFIDというシステムが代表例で、ID情報を埋め込んだタグから電波が発信されて、情報を受け取ることができます。

服屋でよく使われているのですが、昔のようにバーコードを1つずつ読み取るのではなく、服のタグから発される電波をキャッチして一気に読み取ることができます。

これがあれば高いところに脚立を使ってバーコードを読み取る手間と危険性を回避できるわけです。

1−2.モノをネットワークに繋げる技術

モノから情報を手に入れたら次は、その情報をサーバーに伝える必要があります。そのために、情報をネットワークに繋げる必要があるわけです。

ネットワーク

IoTデバイスとコンピューターを接続する仕組みのことです。同じ場所にある数台のコンピューターを接続したLANや、世界的な規模でコンピューターを接続したインターネットなどの形態があります。

通信プロトコル

ネットワーク上でデータを通信するための手順や規約のことを通信プロトコルと呼びます。これがないとネット上のコミュニケーションが全く機能しません。

現実世界でも、日本人同士が話すときは日本語で話すという暗黙のルールがあり、そこで誰かがいきなり英語で話し始めたら戸惑ってしまいますよね。コンピューターの世界でも上手に意思疎通を行うためにはあらかじめ約束事を決めておく必要があるわけです。

1−3.データを集める技術

次に、得られたデータをサーバーに蓄えていきます。ちなみにこうやって色々な機器から集まった情報のことを、一般的にビックデータと呼んでいます。

ゲートウェイ

センサーや自動認識で集めた情報をサーバー(クラウド)に送る際の中継地点の役割を担うのがこのゲートウェイです。なぜ中継する必要があるかというと、いきなり全てのデータをサーバーへ送ると、その通り道であるネットワークに負担がかかってしまうからです。

ちょっとまだわかりにくいので、遊園地の例で考えてみます。定員200名の遊園地に、GWということもあり400人が来園しました。ゲートウェイ(入り口)がないと400人が園内に流れ込んで大混雑でパンクしてしまいます。しかし、ゲートウェイ(入り口)という中継地点があると、中に入る人数の制限ができて、園内が空いてきたら次のお客さんを入れるという方法がとれるので、遊園地がスムーズに運営できるわけです。

こういった形で、サーバーに入る情報をゲートウェイで調整しています。

IoTサーバー

先ほどのゲートウェイの先にあるサーバのことです。会社があまり大きくない場合は、サーバを社内に設置することが多いです。

先ほどの例でいうと、サーバーは遊園地そのものです。遊園地には多くの人(情報)が蓄えられている場所というわけです。

クラウド

あえて自分の会社にサーバーを設置しない場合は、インターネット上でサーバを利用することができ、それをクラウドと呼んでいます。

まるで雲のように広大に広がる空間からそう呼ばれています。

1−4.データを活用する技術

ようやく集まったデータを活用することができます。現段階では大きく分けてこの2つの活用法が挙げられます。

BI

BIとはBusiness Inteligence(ビジネスインテリジェンス)の略で、企業などの各部署が蓄積しているビックデータを分析して経営に役立てることを表します。

具体的な例でいうと、エリア分析があげられます。今までは県や市町村単位で購買率を分析していたものが、蓄積された膨大なデータからエリア別の購買率を抽出することが可能になります。すると、どの地域でプロモーションを重点的に行えばいいのか理解でき、来店客の増加に繋げることができます。

このように、ビックデータを経営に役立てるものがBIなわけです。

AI

AIは聞いたことがあるかもしれませんが、Artificial Intelligenceの略で、人間の脳が行なっている知的な作業をコンピュータで模倣したシステムのことを表します。ビックデータから機械学習することで、ニーズを見つけそれに対して判断を行います。

具体的な例でいうとヤマト運輸とDeNAが共同で行なっているロボネコヤマトです。センサーなどで得たビックデータを解析し、危険なルートとそうでないルートを探し、最適化された自動配達ルートをAIが自動運転するサービスです。

ロボネコヤマトがあれば好きな時間に荷物を受け取ることができるようになり、再配達も激減するので非常に便利な世の中になりますね。

2.未来のIoT社会を左右する2つの新技術

ここまでは現状のIoTに関する技術を紹介してきましたが、次に未来のIoT社会を大きく左右する新たな2つの技術についてお伝えします。

2−1.5G

1つめの新技術は、現在モバイル通信に利用されている4Gの上位互換とされる5G。4Gよりも通信速度は50倍早いと言われています。他にも以下の3つの特徴があり、5GはIoTのための通信技術と言われています。

  • 多数同時接続
  • 高速通信
  • 低遅延

これから先は、日本中の車やあらゆるデバイスが同時につながり、常にデータを取得する必要があるので、それにも耐えることができる無線技術が必要になってくるわけです。

5G自体は東京オリンピックが開催される2020年をめどに利用できるようになると言われています。(https://bitwave.showcase-tv.com/what-5g/2/#fiveg3)5Gが利用できると今までよりもサクサク動画をみたり、トンネルの中でも不自由なくスマホを使うことができるそうですよ。

2−2.LPWA

2つ目の新技術は、バッテリー寿命を長く保ち、遠く離れたところまでデータを届けるLPWAです。5Gが高速化と大容量化を進める一方で、LPWAは省電力化を目的とした技術です。

データを収集するセンサーは小型化が進み、そこで大切なのは5Gでもたらされる高速な通信ではなく、長い期間利用できる省電力の設計です。大量のデバイスと通信が発生するときは5Gが必要ですが、集めるひとつひとつのデータは小さいので、そのデバイス内では消費電力を優先すべきというわけですね。

そうやって5GとLPWAを使い分けることで、より効率的に通信処理を行うことができるのです。

3.この新技術で世界はどうなるのか?

では、5GとLPWAで実現される世界はどのようなものでしょうか?最後にその技術をどう活用していくのかを紹介します。

3−1.クローズIoT

クローズIoTは、製造工程の効率化や省電力化を自社だけで行うことを意味します。

例えば、建築機械の世界第2位のコマツという会社は、世界中から送られてくるショベルカーのデータを元に、効率的な点検や買い替えのベストなタイミングを分析し、その会社に営業をかけていました。そうすることで効率よく業績を伸ばすことができた結果、世界第2位まで一気に上りつめました。(https://diamond.jp/articles/-/174707

こちらのクローズIoTはすでに取り組んでいる企業も多く、盛んに行われています。

3−2.オープンIoT

それに対してオープンIoTはこれから先の時代の話です。オープンIoTとは、全てのモノがつながり誰でも自由に利用できる状態を表します。もう少し簡単に言うと、インターネットのように現実世界のビルや住宅が繋がれた状態のことです。

これが可能になるとどうなるか。自分の現在位置を知るときに、真上からの位置を知るだけでなく、その建物の何階にいるのかを特定できるようになります。未来はターミナル駅がより複雑になると考えられるので、そこをスムーズに移動できるようになっていくわけです。

他にも、道にRFID(電波を発する)チップを埋め込むことで、車椅子の自動運転も可能になります。車椅子メーカーが自動運転システムを開発しなくても、誰でも自由にこのチップを利用すれば自動運転システムを開発できるわけです。

このように、全てのモノが繋がって誰でも自由に利用できるような方向に未来は進んでいくでしょう。

4.まとめ

IoTに利用されている技術は、

  • モノをネットワークに繋げる技術
  • モノから情報を取り出す技術
  • データを集める技術
  • データを活用する技術

の4つです。そして、5GやLPWAという新たな技術を駆使して、全てのモノを誰もが利用できるオープンIoTという世界が実現される日も、そう遠くはないでしょう。

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