- 「IoTって単語よく聞くけど意味はあまりわかっておらず、聞かれたらいつもその場凌ぎ・・・」
- 「IoTが一体自分の生活にどんな変化を及ぼすのか気になる」
- 「IoTについて最低限知っておくべきことを抑えておきたい」
今話題のIoTですが、そもそもの読み方だったりその単語が意味するところをキチンと理解している人はまだ少ないです。
そこで今回は、IoTとはそもそも何か、IoTによって実現できる世界はどんなものか?などIoTに関する“いろは”をまとめました。
- IoTとはそもそも何なのか?
- IoTが取り上げられている理由
- IoTで実現できる近未来生活
- IoTに関するリスク
の4つの項目でIoTの全体像を掴める内容にしました。余計な箇所を省いて凝縮したので、最後まで読んでIoTに関する必須の知識を身につけましょう。
1.IoTってそもそも何なの?
そもそもIoTとは、「Internet of Things」の頭文字をとった単語です。日本語では「モノのインターネット」と呼ばれています。もう少し噛み砕いて言い直すと、「身の回りのあらゆるモノがインターネットに繋がって管理できる状態」のことです。
携帯電話やパソコンなどは今でもインターネットに繋がっていますが、IoTでは従来インターネットが接続されていない、車や家電といったモノをネットワーク化していきます。モノがインターネットにつながることでどのようなことができるのでしょう?例えば以下のようなことは、実際に現在実現しています。
- 製品の内部異常をスマホで簡単に確認できる(自動車など)
- 外出中に家の電化製品のON/OFFを指先一つで行うことができるようになる(エアコンや洗濯機など)
- 利用時間を記録と通知する(玄関の扉や電子レンジなど)
このようにIoTを活用することで、日常の生活がより便利になっていくわけです。
「確かに便利になるけど、なんでここまでIoTって流行っているの?」
と疑問に思われる方も多いでしょう。では次に、IoTがここまで流行した2つの要因についてお話していきます。
2.なんでこんなにIoTがブームなの?
ここまでIoT開発が盛んになっている要因としては、
- 人員不足の解消
- 個人規模の開発環境が整った
この2つが挙げられます。なぜこれらの要因がIoT開発を推し進めているのかを分かりやすく説明していきます。
2−1.人員不足の解消
日本の人口は減少の一途をたどり、少子高齢化や過疎化によって働き手が大きく不足していきます。農業や介護といった業界は、特に労働人口不足は顕著です。その分、業務の自動化などを目指していますが、それらの業界ではその場の状況に応じた柔軟な対応が求められます。
例えば、介護施設では入居者の健康管理や急な容態の変化への対応、農業ではその日の天候や農作物の状態によってとる行動が変わってきます。そういった柔軟な対応を働く1人1人に教育するのは非常にコストがかかるので、人材を採用できずに慢性的に仕事の負担が増え、どんどん負のループに陥っていくわけです。
しかし、IoTの技術を駆使すれば、それらの課題が解決できて業務の効率化も見込めます。取り上げた農業や介護の業界でのIoTの事例を紹介します。
農業分野におけるIoTの活躍
- 土壌の乾燥や天候の観測を人間の代わりに機械が行い、それに応じて自動でスプリンクラーが水を撒くことができる
- ドローンを使い成長環境に合わせて最適な農薬量を散布する
- 農業工場ではもっとも生産性の高い環境のデータを蓄積して、気候や地質に関係なくどこでも高い生産力で栽培ができる
介護分野におけるIoTの活躍
- ベッドに備え付けたセンサーによって朝から晩まで24時間体制で患者さんを見守ることができる
- 排泄予測機を腹部につけることで、事前に生理現象を知ることができる
IoTのおかげで業務の効率化が見込め、その時々で考えていたことや対処の時間をを削減しつつも、効率的行えるデータを蓄積することができるようになりました。
機械でもできることは機械に、人間にしかできないことは人間にという考え方を持つことが、今後の人員不足を解決する一手になるでしょう。
2−2.個人規模の開発環境が整った
2つ目の要因としては、IoTを実現するための技術が成長・整備され、企業だけでなく個人レベルで開発できるようになったことが挙げられます。
iPhoneの普及に伴って、センサー類が大量生産・小型化・低価格化が進み、安価に材料を揃えられるようになりました。一人一台パソコンを持つのが当たり前になったことも、個人レベルの開発を後押ししています。
「じゃあ実際にIoTを活用すればどんな世界が待っているの?」
やはり実際にIoTがどう世界を変えるのか気になりますよね。それを次に見ていきたいと思います!
3.IoTで実現できる世界
ここではIoTによって革新的な変化が起こり、どんな世界が待っているのかを大きく4つの分野に分けて紹介していきます。
3−1.都市におけるIoTの役割
今後世界中で都市部への人口集中が進み、それに伴って複雑化する交通網やエネルギー・電力不足といった問題が顕著になってきます。2050年には世界人口の約70%が年に集中するといった予測もあり、それに伴う問題は決して見過ごせません。
(https://www.jircas.go.jp/ja/program/program_d/blog/20180523)
そこで、IoTの活用により、
- 交通渋滞が問題となる都市の交通量を検出し、スムーズに信号を切り替える仕組み
- 一定速度以上のスピードを出すと前方の信号機が自動的に赤くなる仕組み
などが開発されています。歩行者の安全を最優先に考えるスマートなアイデアですね。また、電力不足に対しても、あらゆるセンサーから情報を収集し、電力の無駄をなくして効率良く供給する仕組みを、横浜市などで実証実験が行われています。
多くの人が共生するために、技術をよりよく使っているいい例と言えます。
3−2.自動車業界
IoT化が進んでいるのがやはり自動車業界です。
- 周辺の道路状況に応じて、目的地までの最適ルートを提供するシステム
- AIによる自動運転や無人タクシー
など、実用化も間近に迫っています。アメリカのGoogle子会社であるWaymoは、アメリカの一部地域での自動運転の公開実験を開始しています。今後大幅な資金調達も考えているようなので、自動運転の領域は急速に発展するのではないでしょうか。
日本の都市部で自動運転が進めば、交通渋滞の緩和や宅配業者の再配達問題も解消されます。それだけでなく、山間部の物資が届きにくい地域にも生活必需品を届けることができ、生活の質を高めることにもつながります。
こちらも目が離せない領域ですね。
3−3.医療分野
IoTと相性抜群なのが医療分野です。今までアナログに診療をしていたものが、IoTを使うことで遠隔治療ができたり、ウェアラブル端末での管理ができるようになって業務の効率化が進むからです。
例えば家にいながらスマホやPCを通して医者の診療を受けるサービスでは、混雑した病院に行く手間が省け、病院で別のウイルスをもらうリスクを避けられるメリットがあります。まだこのサービスを受けられるのはアメリカの一部地域に限られていますが、今後日本でも遠隔医療はメジャーな選択肢となるでしょう。
また、排尿のタイミングを感知して知らせてくれるデバイスは、介護施設の職員の業務負担を減らし、自立排尿を促す効果もあります。IoT×医療も今後目が離せない領域ですね。
3−4.製造業
もともと機械化が進んでいる製造業では、IoT化により業務効率が爆発的に上がります。例えば、製造工程の管理や流通後の製品の追跡を行うことで、業務効率化が期待でき、さらには生産データに潜むトレンドを見つけることができます。
旭鉄鋼株式会社は、秋葉原で購入したセンサーで工場の情報を可視化して、トータル5億円のコスト削減を達成しました。コスト削減を実現した方法は、センサーから「製造ラインが正常に動いている割合」や「1つの製品が生産される時間」が数値化し、それをもとに生産工程の改善に取り組みました。これにより稼働率を66%から80%に上げることに成功したそうです。( https://news.aperza.jp/%E3%82%A2%E3%82%AD%E3%83%90%E3%81%A7%E8%B2%B7%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%BB%E3%83%B3%E3%82%B5%E3%81%A7%E8%A6%8B%E4%BA%8B%E3%81%AB%E6%88%90%E5%8A%9F%EF%BC%81%E4%B8%AD%E5%B0%8F%E8%A3%BD%E9%80%A0%E6%A5%AD/)
日本の中小企業ほど人材不足が課題としてあるので、効率的に工場を稼働していくためにも、IoTをうまく活用できるかが大事になってくるわけです。
4.IoTのセキュリティ状況
「何でもインターネットに繋げたらセキュリティは大丈夫なの?」
確かにIoTは快適で便利な暮らしを実現するモノですが、その便利の裏にあるリスクについて紹介していきます。
世の中のありとあらゆるものがネットワークで繋がって複雑になるので、地震や台風などの自然災害によって大規模停電やシステムダウンが発生した場合、医療分野や交通分野で甚大な被害がもたらされる可能性があります。
2020年には数百億という数のIoTデバイスが世の中に存在すると言われているので、それらが機能しなくなったときの生活を考えただけでも恐ろしいですよね。
(https://blogs.itmedia.co.jp/business20/2014/06/2020iotinternet-c56b.html)
個人レベルで考えてみると、家のネットワークに繋げたデバイスがハッキングを受けて、不正操作やプライバシー侵害といったリスクがあげられます。スマホひとつで家の玄関を開けられるということは、そのシステムが乗っ取られたら誰でもあなたの家の玄関を開けられるわけです。
IoTは私たちの生活を飛躍的に便利にしてくれる分、セキュリティという面で大きなリスクを抱えているわけです。安全にIoTを使うためのセキュリティ対策などをこの記事で全てまとめたので、参考にしてみてください。
参考記事:【最新版】家でできる5つのIoTセキュリティ対策【加害者になるな】
5.まとめ
IoTという言葉の意味や実現される未来像についてみてきましたが、何となくIoTの目指す世界が見えてきたと思います。あらゆるデバイスから情報を収集し、AIを活用してデータの解析を行い、あなただけに最適化されたサービスが提供され、それを利用することができます。その結果、サービスの満足度も上がり生活が豊かになるでしょう。それと同時に人材不足や業務の効率化も見込める。
もちろんそこにリスクも伴いますが、IoTというテクノロジーにより、間違いなく世界は変わっていくでしょう。今回紹介した例よりも、身近な事例や2030年の未来予測についてこの記事でまとめたので、ぜひ一度目を通してみてください。
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